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燕 岳(2763m) 2/5 - 北アルプス・長野県南安曇郡穂高町 - |
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12月31日(金) 雪 朝食を済ませてゆっくりと準備してたら玄関には私たち以外には3人の御婦人パーティが出発するとこだった。私たちが最後かも・・・ アイゼンは大体第1ベンチで装着する人が多いけど私らは面倒なのでいきなり装着。 登山口を登り始めたのも7時半をまわっていた頃だった。 思った以上に雪は少なく第一ベンチに到着しても木の階段がところどころ見えてる。 ここまで来ても私はちっともエンジンがかからない。 登山口で「顔色悪いぞ、大丈夫か?」って言った相棒は正しかった。 どんどんバテて行く。 元々登りが苦手な上に急登だからどっちにしろ遅いんだけど それにしても足が動いてくれないぞ。 |
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第二ベンチに来ると登山教室ご一行様と遭遇。
そこで昨日副長さんと睨んだ人が「○○さん(私の本名)ですか?」と声をかけて来た。
○○に対して私も△△さんと本名で言うべきところをつい「副長さんですか?」
って言ってしまった(笑) やっぱり昨日のお互いチラチラ見ていたのは間違いじゃなかったんだ(笑)
それにしても登山教室に参加していたとは!
今日は吹雪だし、合戦小屋から上部の事を考えれば正しい選択かもしれない。
小屋で会う約束をして登山教室ご一行様は先へと進んで行った。
中房温泉で同室だったご夫婦と私たちは、はじめ登山教室ご一行様の後ろを歩いていたけど
目の前に団体さんがいるのが苦手な私は休憩出来そうなスペースを見つけてどっかりと
腰を下ろしてしまった。 |
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ただでさえ、長い休憩をすると再びエンジンがかかるのに時間がかかるのに、
今日はちっともエンジンがかかってないからこれで完全にダメになった。
絵に描いたような牛歩。
でも山登りってのは不思議でどんなに遅くても一歩一歩進めば確実に目的地に着く。
第三ベンチに到着した頃はもう他には誰もいない自分たちだけの世界だった。
と思いきや、出発しようと思った瞬間、まだ私たちの後から来るパーティが居るのに驚く。
3人の年配の男性パーティだった。
山に不慣れな感じはしないので多分、汗をかかないようにゆっくりと登っているのだろう。
富士見ベンチ、合戦小屋まで彼らとはほぼ同じペースで歩いた。
合戦小屋では今朝、中房温泉の玄関で一緒だった3人の御婦人パーティがいた。 |
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御婦人パーティ、男性パーティ、テン泊と思われる単独者、そして私たち。 多分、このメンバーが最終便だろう。
この合戦小屋から上部は森林限界を超えるので風を避けるものが一切ない。 目出帽を被ってから出発。
去年は直登だった合戦沢ノ頭までのルートも夏道だった。
合戦沢ノ頭までのルートは比較的わかり易いだけど新雪が積もっててトレースはなく、膝までのラッセルになった。
合戦沢ノ頭に出ると風雪は益々激しさを増す。 いよいよ戦闘態勢で臨む。
この先はもうカメラは寒さのために動かなかった。ここもどうやら夏道らしい。
尾根から少し下がった右側をトラバースするルートだ。 はじめは雪が少なかったのでこの道でよかったのだろうが
ここ2,3日の雪でもう限界に来てると言える。 |
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ところどころクラックが入って今日のような雪では崩れるのも時間の問題じゃないだろうか。
突然左上の斜面の幅5mくらいが一気に動いた。 「あっ、雪崩!」
その中に私はいたが、幸い、私を動かすほどの規模ではなかった。けれど雪崩は雪崩。
表層雪崩がスローモーションで見えた。
尾根に出ようとした時、正面からの猛烈な風雪で瞬時にコンタクトの下半分が涙と一緒に凍ってしまった。
「うわ、やべえ」 私は慌てて目を閉じて凍らないようにする。髪も凍ってつらら状になっている。
けど、そこにじっとしてるとたちまち体温は奪われるし、新雪でキックステップ切っても 崩れてきて、
なかなか登れないしで、目に見えるように体力が消耗されていくのだった。
相棒もメガネが凍って前がなかなか見えず悪戦苦闘。 |
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無事に家に帰れたら強力なゴーグルを買おうと誓った(笑)
すっげーーーー気合を入れてなんとか登りきり、再びトラバースルートを行く。
次に10mくらい上の尾根に直登する斜面があって私はなかなか高度をあげられない。
疲れてキックステップもいい加減になってきたもんだから足元がどんどん崩れて行く。
永遠にもがき続けるのかと感じたその時、上から下りて来た2人組の登山者が助けてくれたのだった。合掌。
彼らは空身で先生(?)を迎えに行くところだと言う。 ルートは尾根上になったが風雪は更に激しさを増し、トレースはもうまったくない。
新雪がどんどん積もって、去年のようにストックで叩いて硬いルートを見つけるといった手段も効かない。
ワンドはあるけどそこまでのルートはまったくわからず膝上までのラッセルでルートファインディングしながら進むハメになった。 |
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ここ2,3日で降った新雪はスキーやスノーシューには泣いて喜ぶパウダーだけど
ツボ足の登山者には体力を相当消費するやっかいな雪でしかない。
目の前に燕山荘の冬季小屋が見えて来たが直下の急登の取り付きの痩せ尾根あたりで
猛烈な風に吹かれて耐風姿勢をとる。ヘタに動いて飛ばされたらおしまいだ。
風は強くなる一方で、体温はどんどん奪われて行くし、体力も消耗しまくりで 私はこの時「死ぬかも」って思った。
少し先にすでに取り付いている単独の男性を発見、彼も必死に耐えている。
風が弱まった一瞬のスキをついて這うように前進して取り付きの斜面に体を寄せる。
ふが〜〜。とりあえず谷に落ちる危険はかなり減った。 急登はさきほど居た場所よりはやや風が弱い。 |
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かなりの斜面なのでアイゼンの歯をしっかりと雪に指すが所々雪のない砂地になると
風で飛ばされるんじゃないかと不安になりながら、ひたすら登る。
単独の男性とにわか3人パーティになって冬季小屋までのわずかな距離を登ろうとするけど
ルートはまったくわからずまたもやラッセルで小屋まで登り切る。
けれどここで終わった訳じゃない、正面まではまだまだ距離があるのだ。
前回は小屋の周辺は強風でなかなか進めなかったけど今回は雪で埋まってる。
なんとか小屋に到着。 3時をかなりまわった頃だった。私たちでこんな時間なのに後続パーティは大丈夫なのだろうか・・・
視界のある時に何度か後ろを振り返ってみたけれど後続者はまったく見えず。
少なくとも2パーティは来る予定だ。 |
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当然小屋の受付にも「まだ後ろに(登山者が)いましたか?」と聞かれる。今夜のねぐらは新館。長い階段を登らなくてはイケない。
疲れた体にはこの階段はひじょうにキツかったー。 着替えて乾燥室に着ていた服を全て干してホッと一息。
玄関ホールで副長さんと合流。 ジュースとビールで乾杯。 色々と話が弾むところへ合戦小屋まで一緒だった男性パーティも到着したようだ。
このパーティがどうやら「先生」だったらしい。 写真の先生だそうだ。その後小屋はちょっとした騒ぎに包まれた。
どうやらSOS要請があったようでスタッフが装備を身に纏い、慌しく飛び出して行った。
私はひょっとして御婦人パーティじゃないかと思ったが自分たちが小屋に到着してから
随分と時間が経っていたのでいくら何でもそれはないかと思いなおして 再び副長さんとの会話に花を咲かせた。 |
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食事は2回戦目の7:15から。 燕山荘の食事は美味しいので楽しみ♪
食事が終わって廊下のテーブルで寛いでいると先ほどのSOS要請のあったと思われる
パーティが到着したようだ。 「あ!」 やっぱり、そのパーティは心配していた御婦人パーティだった。
まぁ、無事でよかったってもんだ。
食事の後は小屋スタッフ紹介に赤沼オーナーの話、ついで紅白歌合戦を見つつ、年越しそばやお神酒が振舞われる。
通常は9時消灯の小屋も大晦日は0時まで。
夕べは寒くてあまり眠れなかったせいかお目当てのマツケンサンバ(小屋では何気に人気だった)を観るとさっさと寝床に引き揚げてしまった。
年明けだったと気づいたのは翌朝だった。 |
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