赤岳あかだけ(標高2899m)2/2

アクセス:
中央自動車道 南諏訪IC〜八ヶ岳ズームライン〜美濃戸
行  程:
1日目(03/05/03) 美濃戸〜南沢〜行者小屋(テント泊)

2日目(03/05/04) 行者小屋〜文三郎尾根〜赤岳(ピストン)〜南沢〜美濃戸

早朝の八ヶ岳
2003年5月4日(日) はれ
とはいえ、テントで寝るのがあまり得意じゃない私は夜中何度も目を覚ます。 目をつぶりながらあることを考えていた。 寒さを全く感じないのだけが救いだ。 4時頃に起きたがまだ暗く、周囲の動きも全くないので再びウトウトする。 明るくなった頃、周囲の活気に起こされる。 「よっしゃ、まずは朝メシいっとくか・・・」 と相棒が赤いきつねを取り出した瞬間、私は答えた。 「いや、まずはコーヒーにしとこう」 相変わらずベンチレーションから外の様子を伺うとピーカンだった昨日とはうって変わって なんだかどんよりした天気だ。 初めはガスかと思ったくらい。 暫くすると一応天気はいいという事がわかってきた。 そして赤いきつねを食べるけどやっぱり朝からこんなのはキツくて麺はどうに
か食べれたけど あの巨大なおあげなんてとても無理だった。 初めは赤岳から横岳まで縦走しようと思ってたけど昨日の時点で 「赤岳だけでいーよ」って変更してた・・・ 軟弱モノめぇ 。 サブザックに荷物を入れようとしてハタと気づく・・・・ あ。これじゃピッケル付かないじゃん。 岩稜帯に行ったらピッケルなんて邪魔だ。 仕方なく、2人共中はスカスカだけど大きな80リットルのザックで行く事にした。 それにしてもザックだけでも重いじゃないか・・・ スパッツを付け、アイゼンを装着し、ピッケルを持ち、テン場を出発する。 早朝の雪面は硬く、アイゼンの歯がザクザクといい音を立てながら進む。 向かったのは文三郎尾根。 テン場からまずは緩やかな沢の登りで中岳沢との分岐を過ぎると急登の樹林帯に取り付く。 ここからは勾配がキツいのでピ

階段(下に行者小屋が見える)

岩稜帯
ッケルと共にアイゼンの前歯をしっかり雪面に刺して登って行く。 先行者のトレースもしっかりと付いているが歩幅が合わなかったり足跡が深く埋まってたりして気を付けながら行く。 ここいらはまだ雪深い。 キツい勾配に疲れ、休憩していると中岳の沢筋に ニホンカモシカを発見。 山の間からは北アルプスも覗く事が出来る。 高度を上げるに連れて雪はだんだんと減り、樹林帯から抜けるとグッと減った。 しかし、勾配が急なのでまだアイゼンは外せない。 そして網状の階段となり勾配ももっとキツくなる。 アイゼンを履いたままの階段は引っ掛けやすいので1歩1歩慎重に登る。 階段も半分くらいすると雪もほとんど無くなり、途中でアイゼンを外した。 それにしてもキツいなぁ、この尾根は・・・ ただでさえ、登りが苦手な私にはとっても辛い。 階段が
終わるとガレだ。そしてその次はとってもイヤなザレ。 ズルズルと滑ってイライラする。 上から下りて来たおじさんは思いっきり尻もちをついて滑ってた。 尾根を登り切ると阿弥陀岳・中岳からの道との分岐に出る。 ここでは誰もがきっと休憩するだろう。 見晴らしもいい。 ここからは登山道はトラバースになり、そして岩稜帯へと移って行く。 浮石がやたら多いがホールド・スタンス共にしっかりしてて3点支持で登れば不安は特にない。 でも下りはちょっと怖そうだなぁ・・・ 途中休憩していると3人組のおじさまパーティが声を掛ける。 「登り?下り?」 「登りです」 「うわ、きっついでしょ、ここ。俺はこんなとこ登りたくねーなぁ」 「おいおい・・・」 いや、下りるのも滑って大変そーですがねぇ・・・ 山頂直下はルンゼ状になった岩場を登る。 ハシゴを登っ

山頂直下

赤岳山頂
て次のハシゴまで来た時に上部にダンゴの標識が見えた。 「あ。山頂だ」 「え?マジ?」 そこからひと登りで赤岳山頂。 「おつかれさま」珍しく2人で握手。 岩に腰を下ろして展望に見入る。 富士山方面はすでにガスがかかって富士山が頭をちょこんと覗かせいてる程度だった。 南アルプス、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスは素晴らしい展望だ。 特に必ず見入ってしまう穂高連峰、大キレット、槍ケ岳・・・ 槍の穂先は雪がなくて真っ黒だ。 穂高・・・あのあたりの霞沢岳に今、きむっちと山ヤ先生が居る。 「あ、そだ」 さっき、きむっちから携帯にメールが届いたんだった。 無事登頂して山ヤ先生にも逢えたと。 私も赤岳登頂!ってメールした。 写真を撮ってのんびりした後、赤岳頂上小屋へと向かう。 途中、ヤセ尾根を通過するけ


赤岳山頂からの展望


富士山

南アルプス

中央アルプス

北アルプス(穂高・槍付近)
ど高所恐怖症の私はちょっぴり怖かった。 まだ雪も残ってて滑ったりしたら怖いしねー。 ジュースを買って北アルプスが見える方向にあるベンチに座ってしばしまったり・・・ 「・・・。なんか下るの面倒だなぁ。もうここに泊まりたいよ。」 いつもなら名残惜しくて下りたくないんだけど今日は下りが面倒で面倒で・・・・ しかも山頂直下の岩稜帯を下るのはなんだか怖いよなぁとなんだかすっかり弱気。 どうしちゃったんだ、わたし・・・ 足どり重く下山にかかる。 山頂直下の岩稜のクライムダウンは慎重に。 でも思ったほど怖くなくて気がついたらとっくに通過してて 「あれ?そういえば岩稜とっくに終わってたねぇ」なんて感じで拍子抜け。 最近のクライミングが多少は役に立っているのかもしれな

赤岳頂上小屋

急下降
いな。 それでも途中1ケ所雪が積もっていて滑るので鎖を頼りに慎重に抜けた場所もあった。 それよりもその下のザレに問題ありだ。 とにかくよく滑る。 これじゃあ、さっき下ってきたおじさんが滑って尻もちついても仕方ない。 体を横にして滑って下りる作戦に出た。 途中で再びニホンカモシカを発見。 あっという間に階段まで下りて来た。 登りはあんなに時間かかるのに下りはなんてあっけないんだろうなぁ・・・ 急下降だから尚更下りるのに時間がかからない。 階段を半分くらい下りたところで雪が出てきてアイゼンを装着。 樹林帯に入ると朝と違って雪が緩んでトレースを外れるとズボッといく。 沢に出ると勾配も緩やかになってあとはダラダラとこのままテン場まで下るだけだ。
ズボズボハマってるトレース跡ばかりになって来たので固そうな端へと移動する途中に 私は思いっきりズボッとハマった。 しかも両足だ。 左足の上に右足が乗るような格好で落ちたのでアイゼンが足に刺さって痛い・・・・ 右足をなんとか抜いて踏ん張ったが左足がビクともしない。 自力でなんとか踏ん張ってみたけどどうにもならない。 後ろから来た人が「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれたが 「ありがとうございます。自分で何とかしますから」と答える。 初めは少し先で笑っていた相棒もあまりにも何ともならない私を見て戻って来た。 手を貸してくれたけどビクともしない。 (私の重さのせいだけじゃないのよ) この時初めて雪崩に遭ったら体が動かないっていうのがわかった。 左足の膝から下が動かないだけなのに・・・ 今にも泣きそうな私を見て

ニホンカモシカ

もうすぐでテン場
相棒が手とピッケルで雪を掘ってなんとか脱出した。 テン場はすぐそこだった。 テントに戻って身軽になったとこで小屋へ行って生ビール。 私はジュース。でも生ビールも1口しっかりと貰った。 うううう、美味い! 実は30分ほどまったりしたら撤収する事にしたのだ。 生ビール と一緒におでんを頼んだけれど色が全くついてなくて 「うわ、味がゼンゼン染みてないじゃん、こりゃ失敗か」 と思ったらめちゃくちゃ美味い! しっかり味が染みてて涸沢のおでんよりもイケると思ったよ。 行者小屋におでんあり・・・・・ そして急いで撤収に掛かる。 今度は荷物は5:5だ。 何でこんなにしてまで帰りたいのか自分でもよくわからなかった。 時間は2時半を回ってたけど帰るだけだからのんびり行こうよ。 荷物の軽量化もあって帰りもアイゼン着けて下りた。
でも沢から樹林帯に入るルートは意外にも雪は緩くなくて アイゼンの歯がザクザク言った。 ここから一気にひたすら下りる・・・・・・・ 樹林帯を抜け、白河原を過ぎ、再び樹林帯へ入り、勾配もだんだんキツくなってきて 沢沿いの道に雪がなくなって来たのでアイゼンを外した。 しばらくすると再び雪が出てけどアイゼンがないと結構歩き辛い事がわかった。 その後も凍結箇所が多くてアイゼンまでは必要ないけど軽アイゼンがあったら便利かなとも思った。 凍結と荷物の重さから後半は結構バテてのんびりと歩いた。 堰堤が見えた時は本当に嬉しかったなぁ。 ようやく南沢と北沢の分岐まで戻って来てひっそりとした美濃戸山荘で休憩。 ジュースと冷たい水で冷えたきゅうりが美味

テン場からの赤岳

ホシガラス
しかった。 おつかれさん。 さて、帰りは温泉、温泉なんて言ってたワリに何処へ寄るのか何処にあるのかさえわからず・・・ 美濃戸口には500円で入れるなんて看板があったけどうーん・・・ もうちょっと温泉!て感じの施設がいいかなぁ。 まぁ、走ってれば何処かあるんじゃない?って訳で八ヶ岳の周辺道路をひたすら走る。 ようやく見つけたのが富士見高原にある 八峯苑・鹿の湯。 夜6時を回っていたので入浴料が300円と激安だった。 お風呂も結構大きくて施設も充実してるけど物凄く混雑してたよ。 でもやっぱり温泉は気持ちいいよね。 帰りは高速の大渋滞にハマってゴハンも食べられず大変だった。疲れたよ。



おつかれ〜