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裏銀座縦走 (6/8) |
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2002年8月8日(木) ガス のち はれ
昨日の夕方、風が強い、なんて言っていたが風はいつのまにか暴風へと変わっていた。もの凄い風の音で目が覚める。 いや、音というよりは風に体が押されて起きたというべきか。私の体でテントを支える状況になっている。 今までで一番マズい状況だというのに全く慌てる事はなく、逆に暴風の中なのに妙に静かに眠れている。 なんだか、久しぶりに熟睡したみたいだ。 凄い風だなぁって思ってまた眠りについた。 3時半起床。ベンチレーションから外の様子を伺う。やはりそろそろ行動を開始している。 撤収を終え、双六山荘に来た時は5時前だった。双六山荘の喫茶店は4時半から開いている。 小屋の食事は5時からでそれ以前に食べたい人はここを利用しろって事だ。朝食を |
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弁当に変更も出来ない。 今日は今回の縦走で初めてのご来光が見える。私たちはご来光にはあまり関心はない。
見れるなら見るか、程度。 それでも実際見るとなにか神々しいものを感じたりはする。
雲の隙間からなんとか見えたご来光だった。
小屋で昨日飲んだホットミルクをまた飲んで6時近くになって、樅沢岳に取り付く。
今日の行程は一応槍ヶ岳山荘まで。登りが異常に遅い私は単純に地図のコースタイムの2倍と考える。
地図上では4時間、となっているので単純に「じゃ、8時間か」と計算するのだ。
「そんな、まさか、そこまで遅いハズはないだろう」と思ったアナタ、甘いっ!私はそれくらい遅いのだ。
「のんびり山歩き」一見、余裕でルンルン歩いているかのようなタイトルだけど実はそうではない。
単に足が遅くて付いたタイト |
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ルぽい。今回の計画は「ガッツのんびり山歩き」だが、本人はガッツで歩いているのにもかかわらず、
まわりから見れば実にのんびり歩いているように見えるという事である。
樅沢岳へは急登をひたすら登る。やがて平坦な道になって少し進むと山頂の標識が見えてくる。
生憎、ガスで周りは全く見えず標識で
山頂だと判断するくらいだった。そして下りに入る。
岩ゴロの道があったり、山腹をトラバースしたり、ガスの中を進む。
途中でガスが消えてきて辺りが見渡せるようになるとやがて目の前に西鎌尾根と槍ヶ岳が姿を現したのだった。
槍ヶ岳周辺は雲1つない天気だ。これは実に素晴らしい眺めだ!
期待していなかっただけに「うわぁ!」と歓声をあげてしまった。
ずっと槍を見ながら歩けそうだ。これならキツそうな西鎌尾根もなんとか頑張 |
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れるだろう。 西鎌尾根は千丈沢側と左俣谷側を縫うように歩く。
千丈沢岳側は風も穏やかで歩きやすいが一旦左俣谷側へ入ると谷から吹き上げてくる突風でバランスを崩す。
ヤセ尾根が多いので気が抜けない。
1度どうにもこうにも体が前に進まず、無理やり行こうとしたらバランス崩して谷に滑落しそうになって
相棒に「動くな!」と怒鳴られた。この日は天気が良くても雨具は脱げなかった。
途中に2,3ヶ所、砂礫の急登がある。
ワイヤーやクサリがあるが滑って滑ってなかなか登れず1度「ああ、ここで遭難するかも」って思ったくらいだ。
しかし、眺望はいい。乗鞍岳から弓折岳の稜線、
笠ヶ岳、双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、野口五郎岳、目の前の硫黄岳・・・・
今日は双六からも槍がよく見えるだろう。ああ、今ごろ双六の山頂だった |
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ら槍がよく見えるのにと思ったがよく考えたら 今はそれよりももっともっと近い位置にいる。
千丈沢乗越に来ると千丈沢側の休憩出来そうなスペースがあったのでそこに入って
双六山荘で買ったりんごを丸かじりした。少し休憩した後、いよいよ急登に取り付く。
ここからが今日で一番大変なとこだ。一歩一歩登れば確実に肩に着くのだ。 遠くから眺め続けてきた槍に。
私的には今回のメインは鷲羽岳だったけどやっぱり槍に向かうと思うとドキドキする。
でもやっぱり登りは苦手だからキツい。すぐに休んでしまう。真上に小屋が見えるがなかなか近くにならない。
ここからだと
穂先は大きすぎてどれなんだかよくわからない。遠くから見る尖ったイメージはない。
が、コースタイムばかりに気を取られて地形をほとんど見ていなかった私たちに嬉し |
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い誤算があった。
ルートは登り一辺倒だと思ってたから単純に2倍、 所要時間が8時間、槍の肩に到着するのは大体2時くらいだと予想していたのだ。
槍穂は午後になると山頂付近に雲がかかって見えない事が多いからこの日は穂先には登らず、翌日に、そして
張数が少ないと聞いていたテン場も到着が遅いから空きが無くて小屋泊になるだろうと思っていた。
ところが肩に到着してみるとまだ昼前だった。「あれ?これじゃ、穂先に行けるなぁ」
槍周辺は朝と比べると大分雲が出てきたとはいえ、視界は全く問題ない。
小屋の前にザックをデポして5分ほど休憩した後、早速、穂先へと向かった。
穂先へと取り付く。 安定した場所で先行者の様子を見つつ、進む。
しかし、山頂は満員らしく、山頂直下のハシゴでは待ち状態だった。
山頂 |
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からハシゴで降りて来ても次の梯子を降りようにもみんな登って来てしまうので立ち往生している。
私たちの後ろに居た人と相棒でこれではラチがあかないと言って交通整理を始めた。
「はい、そこの赤いシャツ!君までね。」
「次、そこから5人、そうそう、黄色のシャツのキミまで降りてきて!」
てな感じである。 なるほど、流れはスムーズになった。
ここは仕切る人が必要らしい。そういう人が居ないと何時までたっても
降りれないだろう。 登りは無理にでも登れるが、下りはそうは行かない。
しかし、これだけ人が居たら下りは物凄い恐怖だ。小石1つでも落とせない。
私は高所恐怖症なのでなるべく下を見ないようにしていたが、
順番待ちをしているとあまりにも眺めがいいんでついつい、下を見てしまう。
ずっと下へと続く槍沢を見ている |
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と眩暈がしそうだ。 そしてハシゴが怖い!手を震わせながらハシゴを登った。
足をかけようとしても岩が邪魔して足がかからなかったりすると焦る。
3ヶ所ハシゴがあるが私にとって、これはマジで怖かったのだ。
どうにか山頂へと登ると人・人・人!何処で押されるかわからないので怖くて立てない。
感動よりも恐怖の方が大きかったかもしれない。
「く」の字型のわずかなスペースの山頂の一番奥には祠がある。
そこまでどうにかして辿りつきたいがこの人ごみじゃ無理か。
立つと怖いから中腰で少しづつ移動を繰り返す。
なんとか祠まで辿り着いて写真を撮った。
周囲のパノラマ写真も撮りたいけどこれじゃあ、人の頭ばかりで山見えないだろう。
しかし、槍からの展望は素晴らしかった。
穂高に雲がかかっていたけどそれくらいで後はくっ |
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きり見えた。ようやくああ、槍ヶ岳に登ったんだなって実感が沸いてきた。
そして祠を見て、【K.U.OutdoorSite】の現場監督さんや
【HeavenSite】の安藤さんや
【やっぱり山が好き】のsudoさんは
こんなとこから登ってきたんだと改めて凄いと思った。
祠の後ろや横からひょこ、なんて突然人が出てきたらびっくりするだろう。
北鎌尾根を見ようと思ったが怖くて思い切り覗き込めなかった。
山頂でのひとときを満喫したので下りにかかる。
さきほど一緒に仕切っていた人たちと下りる。でも暫く山頂で待つ。
下の状況を見ると混乱しているようだ。またしても頂上から声を張り上げ、下に向かって仕切る。
そうして下り始めるが下りの方が得意な私でもこの穂先は登りのほうがいいってくらい、下りは怖かった。
人が下に延々と続いている中での下降は緊 |
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張の下降だった。どうにか落石は起こさずに大槍の基部へと戻ってきた。
槍ヶ岳山荘の「キッチン槍」で昼食をとるハズだったが、私がまた食欲がない。
それでもコーヒーとワッフルを買った。
相棒はカレーを頼んだがここのカレーは具がふんだんに入っていてなんだかとてもおいしそうに見えた。食べれたのかも。
ワッフルはなかなか喉を通らず食べきるのに大分時間がかかった。
売店を覗き、お土産を物色たり、外で暫くボーッとしたり、テン場の様子を探りに行ったり暫くは肩で過ごしていた。
下に
殺生ヒュッテのテン場が見える。 「あそこまで下りちゃうか。
もう穂先に登っちゃったら別にここで過ごさなくてもいいよね。」
そんな訳で殺生ヒュッテまで下る事にする。肩から見る殺生ヒュッテのテン場は広大で快適そうに見える。
が、実際に近づいて |
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みると実はそうでもない事が判明。広大なテン場は空き状態でゆったりだと思ってたけど、岩ゴロの中の隙間に幕営するといった状態。
大きなテントを設営するサイトはごくごく僅か。
大体そういう場所はワンゲルがもうすでに幕営したりしてるから後は小さめのとこしか残ってない。
私たちの2〜3人用でギリギリだった。
ここのテン場も烏帽子、野口五郎と同様、水は1リットル200円で購入する。
但し、生での飲料は不可。必ず煮沸が必要だそうだ。
ミネラルウォーターも売っている。
食材もない私たちは小屋で食べるから水は要らない。飲み水も双六から持ってきたのがまだ余っている。
西鎌尾根は凄い風で汗をほとんどかかなかったので水も減ってない。
殺生ヒュッテは小屋に入ると大きなテーブルが2つある。
ガラス戸で仕切られたその向こう |
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は小屋泊者のスペースだが、土間と書いてあったこのスペースはテント泊者でも 自由に利用出来る。
ストーブを使用して料理しても構わないそうだ。 雨や寒い時は大変助かる。カップヌードルを買うとお湯も入れてくれる。
外は結構冷えてきて寒かったんでここでだらだら過ごした。 テン場から真上に穂先が見えるがガスがかかって見えなくなった。
昼間、槍ヶ岳山荘で見たカレーに触発されたのか私は
カレー、相棒が双六でも食べたのに
牛丼を頼んだ。 出てきたカレーは昼に見たカレーよりは見た目は劣っていた。
でも食べたらそれなりに美味しかったのでよしとしよう。
牛丼はどうやら双六に軍配が上がったらしい。 値段はどちらも1000円。少々高めである。
テントに戻ろうと小屋の外に出ると、テーブルで小型のグリルを持ってきたパーティ |
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が焼き鳥を焼いていた。 「!」凄く美味しそうな香りが漂ってきて羨ましかった。「焼き鳥、くいてー!」
テントに戻って横になると外で騒いでるワンゲル部たちの声も気にならず眠ってしまった。 朝:ホットミルク 昼:カレーライス・ワッフル・コーヒー 夜:カレーライス・牛丼 |
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